2026年1月6日㈫ – 3月14日㈯

ミヒャエル・エンデ(1929-95/ドイツ)の作品が日本語で初めて刊行されたのは、不朽の名作『モモ』でした。
1976年の刊行以来、『モモ』『はてしない物語』『鏡のなかの鏡』をはじめとするエンデの物語は世代を越えて多くの読者に読み継がれ、時間や生き方、想像力の大切さを問いかけ続けています。
そして2026年、日本におけるエンデ文学との出会いから50年という節目を迎えます。
ミヒャエル・エンデが遺してくれた物語と核心となる言葉、エンデが読んでいた書物、そしてエンデの精神や世界観を感じられる作品に加え、エンデ読者の皆さんにぜひ手に取ってほしいおすすめの本をご紹介します。

『ものがたりの余白』 ミヒャエル・エンデ
エンデが亡くなる直前まで、友人であり翻訳者である田村都志夫氏に語った談話集。物語は完成された答えを与えるものではなく、読者の想像力によって初めて意味をもち、新しい世界を生み出す力をもっています。ファンタジーは虚言ではなく、人間を回復し、創造する力を育みながら、現実をより豊かにする大切なものなのです。

『ドン・キホーテ』 ミゲル・デ・セルバンテス
騎士道物語に憧れた一人の男が、理想を胸に冒険へ出る姿を描いた物語。主人公ドン・キホーテは、現実を誤解しながらも正義と名誉を信じ、相棒サンチョ・パンサと旅を続けます。風車を巨人と思い込んで突撃したり、羊の群れを敵と見なしたり、滑稽な出来事の裏には、夢を追う人間の純粋さや、理想と現実が描かれています。単なる喜劇ではなく、深い人間理解に満ちた、時代を超えて読み継がれる世界文学史上の傑作です。

『安房直子コレクション』
エンデ読者に読んでほしい日本の児童文学。
動物や自然、静かな町を舞台にし、さびしさや喜び、誰かを思う気持ちが丁寧な言葉で描かれています。忘れていた感情をそっと思い出させてくれる小さな奇跡、そんな瞬間を言葉で紡ぎだした美しい物語集です。
続きは、図書館カウンター横つみき箱で展開中です。
星の数ほど新刊本が出版される中で、生涯をかけて考え、書き綴り、私たちに遺してくれた書物が数多くあります。
要約を知るだけの表面的な理解ではなく、著者の描写と考え抜かれた語感から生まれる言葉を通してこそ、その豊かさや奥深さを感じ取ることができるのです。
効率や成功だけを追い求める現代社会に対して、ミヒャエル・エンデの物語は、今もなお大切な問いを投げかけています。
物語に触れるひととき。人とは交わさない本当の約束が増えていくような、本の中のもうひとつの現実をともに生きる豊かな時間へ、ご案内できれば大変うれしく思います。
※ すべて貸出可能です。ご来館お待ちしております。

2026年1月6日