ニュース

NEW BOOKS 新着情報杉 並


1/22 新着図書

【書評に取り上げられた本】

男性学入門
周司あきら 著
朝日新聞(2025/12/27)掲載

日清食品をぶっつぶせ
安藤徳隆, 竹居智久 著
毎日新聞(2025/9/27)掲載


【図書館員の注目本】

アートディレクターデザイナーのラフスケッチ : 一流クリエーターの着想と具現化の実例250
MdN書籍編集部 編


犬の博物館
ジェシカ・パウンドストーン 編・著 / 西山志緒 訳


はじまりの美術館
はじまりの美術館 編



他 全22冊、ぜひご利用ください。


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2026年1月24日

EVENT イベント開催のお知らせ


「CARLIN(カルラン)トレンドセミナー」(後期)について

「CARLIN(カルラン)トレンドセミナー」(後期)は、今回よりオンデマンドでの動画視聴になりますので以下の期間にご覧ください。

<日時>
2026年1月19日(月)~25(日)

詳細は、Active Academyの連絡事項:『図書館イベント「CARLIN(カルラン)トレンドセミナー」のご案内』をご確認ください。

2026年1月20日

TEACHERS' SELECTION 先生の本棚から


特別編 パリ滞在記③

第26回女子美パリ賞受賞者 朝倉優佳

 

 

活字

 

 パリに移り住んでから、日本のものでいちばん恋しかったのは何だろう。お風呂だろうか、お煎餅だろうか、卵かけご飯だろうか。しかし実際には、意外にも「活字」だった。

 

 日本では日本語に囲まれていることがあまりにも当たり前で、意識することもなかったが、こちらに来てから、日本語で「活字を読みたい」という欲求が、日に日に強くなっていった。日本からの荷物を待てばよいのはわかってはいるが、衝動を抑えきれず、日本の書籍を多く扱うパリの書店へ駆け込んだ。

 

 選んだのは、三島由紀夫と泉鏡花、そしてアランの翻訳だった。自分でも妙な取り合わせだと思いながらも、心が躍る。

 

 本を読むことは、どこか絵画を鑑賞することと似ている。読み手が一方的に作者の言葉を飲み込むのではなく、投げかけられた言葉に対して、自分の中で何が、どのように反応するのか。その揺れ動くような感覚が、ただ楽しい。

 

 深く理解できているかどうかは別として、それでも理解しようと考えを巡らせているうちに、自身の感情や経験が刺激され、内側に活発な循環が生まれる。そうした手探りするような能動的な行為としての「読書」が、私は好きなのだ。ただ目線が紙の上を流れていくのではなく、もっと触覚的な体験なのだと、改めて思う。

 

 

ナポリへ

 

 パリでの生活が始まってから、初めての旅行。目的地はイタリア、ナポリとマテーラである。

 

 朝7時ごろ、青空と強い日差しのなか、シャルル・ド・ゴール空港へ向かった。

 

 飛行機は1時間遅れでナポリの空港へ到着。友人が、ジェノヴァにいながらも「ナポリへ向かうなら是非訪れてみてほしい」と、わざわざ私のために予約を入れてくれていたランチの時間に遅れそうで、私は焦っていた。旅費を抑えるためにあまり使いたくなかったが、荷物もあるのでタクシーに乗って目的地へと急ぐ。

 

 落ち着かない私の気持ちとは裏腹に、運転手さんは終始陽気だった。家族の写真を見せてくれたり、ずっと世間話をしている。レストランに到着が遅れることを伝えようと電話を試みたものの、電波が悪くつながらない。そんな私を見て、彼は自分の携帯電話を貸してくれた。道は舗装されているとは言い難く、車内の至る所に頭をぶつけそうになるのをこらえながら、ぶんぶん揺られて街へ向かう。

 

 レストランに着くと、予約時間を過ぎていたにもかかわらず、店の人はあたたかく迎えてくれた。客の多くは地元の人で、職場の同僚とランチに来ているようだった。観光客らしいのは私くらいで、嫌味のない好奇心の視線が注がれるのを感じる。とはいえ、気にしても仕方がないので、野菜のグリルとシンプルなトマトのピザを注文し、大いに食べた。

 

 料理はどれも素朴だが、日本のものとはまったく別のおいしさがある。水と塩、小麦粉が違うだけで、こうも変わるものかと驚嘆する。ピザの耳までしっかりおいしい。

 

 食事にはもちろん満足したが、私にとって最も印象的だったのはエスプレッソだった。日本のものよりずっと荒々しい味だが、それがいい。トマトの酸味をふき飛ばすようなすっきりとした味わいで、これで人々は午後の仕事に向かえるのだな、と納得する。

 

 気温は23℃と表示されていたが、体感ではもっと暑い。宿のチェックインまで時間があったので、少し歩くことにした。潮の香りに誘われ、巨大な船が停泊している方へ向かってみる。なぜだか、海を見ると落ち着く。みゃーごみゃーご、と鳴く海猫に目をやりながら、汗だくでまた荷物を背負う。

 

 宿に荷物を置いてから、街の探索に出かける。ナポリの街を一言で表すなら、「混沌」だった。ほとんどの道はデコボコで、車はガタガタ音を立てて走る。信号はあってないようなもので、道を横断するときには肝が冷える。バイクは当たり前のように歩道を走り抜け、車はやたらとクラクションを鳴らす。鳴らす必要があるのかないのか、ただ鳴らしたいだけとしか思えないほどよく鳴らす。とにかく騒がしく、めちゃくちゃに見える。

 

 目線を上げると、電線が壁を伝ってかたまりになって垂れ下がり、洗濯物は空を横切るように建物と建物のあいだに干されている。どこを見ても目まぐるしく、色も形も音さえもひしめき合って、一見雑然としているが、ここではこれが「秩序」なのだろう。とにかく、この街はこうして今日も回っているのである。

 

 

マテーラの白

 

 朝6時15分発のバスに乗りこみ、今回の旅の目的地であるマテーラへ向かう。

 

 マテーラは、サッシと呼ばれる渓谷の岩肌を掘り抜いてつくられた洞窟住居群で知られる街である。遅くとも7000年ほど前にはすでに人が住んでいたと言われ、8世紀から13世紀にかけては、迫害を逃れたキリスト教修道士たちが洞窟内に住みついた。当時の人びとによって描かれた岩窟教会の内部に残るフレスコ画は、今も見ることができる。

 

 私がこの街の画像を目にしたとき、まず感じたのは、「白い街」ということだった。

 

 近年の自身の制作において、「白」は大きなテーマである。色彩としての白、物質としての白、層としての白。白い石灰質の岩肌でつくられた街とはどのようなものなのか、それを自分の目で確かめてみたかった。

 

 さて、バスに乗り込むと、やはり道はデコボコ、車はガタガタ、私はぶんぶん揺られながら進んでいく。4時間の道のりだが、バスにトイレはなく、途中停車のバス停にいつ到着するかもわからない。停まったバス停に運よくトイレがあれば、皆が一斉に駆け込んだ。車内はなぜかやたらと寒く、移動と冷えによって体力はかなり削られた。

 

 目的地まで直行のチケットを買ったはずが、なぜか途中で降ろされて、マテーラ行きの乗客は別のバスに乗り換えるよう言われた。運転手は英語を話さず、私たち観光客はイタリア語がわからない。お互いに身振り手振りでやり取りを試みる。結局、理由はよくわからないまま、「ここで他のバスが来るのを待て」と言い残して、バスは走り去ってしまった。

 

 バスターミナルとは言い難い、ただの荒地のような場所に、私を含めた数人が取り残された。不安を抱えながらもひたすら待つと、しばらくして別のバスが現れた。念のため、何度も行き先を確認し、30分遅れでようやく目的地にたどり着く。

 

 見渡すと、そこにはのどかで小さな街並みが広がっていた。本当にここに洞窟住居群なんてあるのだろうかと思いながら、近くの商店に荷物を預け、目についたカフェで食べ損ねた朝食をとることにした。

 

 店内は狭く、多くの客がエスプレッソバーのカウンターに集まり、賑やかに世間話をしている。イタリアらしい光景だと思った。私はそこで名前のわからない焼き菓子とカプチーノを注文する。

 

 親切な店員さんに挨拶をして、カフェを後にすると、街の中心へ向かって歩き始める。人通りが徐々に増えてきて、建物の様子も変わっていった。そして突然、サッシ全体の光景が視界に飛び込んできた。小高い場所にある広場からは、街全体を見渡すことができた。

 

 息を呑むような光景とはこのことだ。圧巻の美しさ。岩窟住居が何層にも重なって、渓谷を埋め尽くしている。あまりに複雑に入り組んでいるので、細部に目を向けると眩暈がするようだ。ナポリとはまた異なる混沌がそこにはあった。

 

 階段を降り、迷路のような渓谷の渦の中へ入っていく。石灰岩の白い壁は強い日差しを反射して、街のどこにいても眩しい。赤やオレンジ色のポピーの花がぽつぽつと咲いていて、白い景観の中で鮮やかに映えている。

 

 「白い街」と表現するのが適切だと思うが、実際には真っ白というわけではなく、生(き)成(なり)色(いろ)やグレー、淡い桃色が混ざった白だ。この景観に触れることで、白について何かしらの学びがあると考えて、ここを訪れてみたものの、目の当たりにしたのは、膨大な時間の蓄積がもたらす厚み。その密度に、ただただ圧倒される。

 

 途方もない時間の中で風に吹かれ、雨に打たれ、この景観が形づくられてきたのだ。ひとりの人間の時間の中で再現できるようなものではないと、すぐに思い知らされた。ただ、肉眼でしか感じられない体験が得られたことだけは確かで、それが何よりの収穫だった。

 

 もともと私はひどい方向音痴だが、マテーラでの街歩きは、エッシャーの絵の中をさまようような奇妙さがあった。頼みの綱のGoogle Mapsも、これほど複雑な地形では役に立たないことも多い。しかし、迷うことも旅の醍醐味である。気の向くまま、足を動かしていった。

 

 夕方、街で夕飯を済ませて宿へ向かうと、ちょうど日が沈むころであった。空はまだ夜になりきれていない深い青色で、街のあちこちに暖色の灯りがともっている。グレーの屋根はすっかり黒に染まり、建物の輪郭を際立たせている。昼間以上に、構造物としての造形の美しさが感じられた。

 

 ゆっくり景色を目に焼き付けながら宿に戻る。移動と疲れで、その夜はすぐに眠りについた。宿は洞窟住居群の中にあり、貴重な体験ではあったが、不思議な肌寒さと、窓のない閉鎖感がどうにも落ち着かず、もうこれきりでよいと思う。

 

 

バスタブとコンクラーベ

 

 ナポリへ戻り、いくつかの美術館や博物館を回った。相変わらず街は騒がしく、賑やかな人々の声やバイクのクラクションなど、さまざまなものをかきわけて歩く。

 

 なかでも、ナポリの考古学博物館で見たポンペイの収蔵品は、どれも素晴らしかった。壁画の断片やモザイク画を見るたびに、その高い技術と豊かな表現にため息が出た。

 

 この日泊まった宿にはバスタブがあったので、久しぶりに湯船に浸かることができた。湯に身を沈めながらテレビをつけると、ニュースではちょうどコンクラーベ(教皇選挙)が終わり、新しいローマ法王の誕生が熱狂とともに伝えられていた。  

 

 フランス、少なくともパリでは、個人の行動や振る舞いが尊重されている反面、人によっては、「干渉しない/されない」冷たさを感じるかもしれない。私にとっては、それが居心地の良さとして感じられることもあるのだが。

 

 一方で、イタリアでは、レストランでもカフェでも、たまたま隣に座った者同士が自然に会話を交わす場面をよく目にした。今回の旅でも、レストランで隣の席に座っていた初老の男性が、「この店のおすすめはこれだ」と、私を含めた周囲の客に話しかけてくれた。向かいに座る奥さんは、「また始まった」とでも言いたげな冷ややかな視線を夫へ向けていたが、それも含めてなんとも微笑ましい光景だった。

 

 面白いことに、この国では観光客さえも饒舌になるようで、旅のあいだ、一人で食事をしていても、毎回誰かと会話を交わしていた。

 

 マテーラやナポリなど、各土地ならではの観光体験が素晴らしいのはもちろんだが、この旅では、私自身のコミュニケーションについての見方が、少しずつ更新されていったような気がする。さまざまな人たちとの出会いがあり、ここ数年で最も印象に残る旅となった。

 

 翌日、パリに戻り、市内まで電車を利用した。車窓から上に目をやると、空には、お煎餅ではなく、サブレのような分厚くまあるい雲がぽつぽつと浮かんでいた。他の国でも似たような雲は見られるだろう。それでも、今の私には、それがとても懐かしく思えた。

 

 「帰ってきた」と感じられるのは、私がこちらでの生活に馴染んできた、何よりの証拠なのかもしれない。

 

 

ナポリの街

 

ナポリでの昼食

 

マテーラの景観

 

ナポリ港から見たヴェスヴィオ火山と大型客船

 

 

2026年1月20日

EXHIBITION 展示相模原


安彦良和展~アニメーター、挿絵画家として~

展示期間:2026年1月7日(水)~3月14日(土) ※展示替あり

     前期:1月7日(水)~1月29日(木)
     後期:2月5日(木)~3月14日(土)

  

展示場所:相模原図書館1階展示コーナー
     グループラーニングルーム横掲示板

    


2024年6月から「描く人、安彦良和」展が巡回開催されています。

現在は渋谷区立松涛美術館(~2026年2月1日)で最後の展覧会が開催中です。

そこで、本学で所蔵している安彦良和氏関連書籍をご紹介するとともに、個人蔵の資料を展示いたします。

2026年1月19日

NEW BOOKS 新着情報杉 並


1/16 新着図書

【書評に取り上げられた本】

視線と差異
グリゼルダ・ポロック 著 / 萩原 弘子 訳
読売新聞(2025/11/9)掲載

アーティストが服を着る理由
チャーリー・ポーター 著 / 清水玲奈 訳
日本経済新聞(2025/10/11)掲載


【図書館員の注目本】

思わず語りたくなる家紋の図鑑
森本勇矢 監修


トビリシより愛を込めて
庄司朝美 著


建築でたどる西洋史
飛ケ谷潤一郎 著



他 全22冊、ぜひご利用ください。


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2026年1月16日

NEW BOOKS 新着情報相模原


1/9 新着図書

ちりめん本 : 小泉八雲のふしぎな昔話
小泉八雲著 ; 浜名那奈日本語訳

 

 

デジタル時代の著作権基本と対策がこれ1冊でしっかりわかる本
佐久間明彦著

 

 

マウントメリック刺繡 : 毎日使えるはじめてのアイルランドの白糸刺繡
木村麻里子著

 

 

 

他全50冊、ぜひご利用ください。

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https://lib.joshibi.ac.jp/opac/category/1/1

カテゴリー検索画面で月ごとの新着リストがご覧いただけます♪

 

 

2026年1月9日

EXHIBITION 展示杉 並


2025年展覧会をふりかえる!

展示期間:1月6日(火)~3月14日(土)
展示場所:杉並キャンパス2号館1階ロビー ガラスケース展示コーナー


2026年、新しい年がはじまりました。
杉並図書館では毎年新年恒例となっております、
前年に開催された展覧会を振り返る企画展示を行います。

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2025年は、どんな年でしたか?
女子美図書館では一昨年よりも
多くの展覧会カタログを購入しました。
2025年1月~12月までの展覧会カタログをピックアップし、
時系列で展示してみました。

 

 

 

 

 

この展示で昨年行った展覧会を振り返ったり、
見逃してしまった展覧会カタログを
ぜひチェックしてみてください!


また、図書館内には、今回の企画展示以外にも、
全国の展覧会カタログをたくさん取り揃えております。
開催中の展覧会カタログはカウンター正面に展示されており、
開催終了後に貸出可能となります。

 

ぜひ、杉並図書館カウンター正面の
展覧会カタログコーナーも合わせてご覧ください。

 

2026年1月8日

NEWS 図書館からのお知らせ杉 並


杉並図書館員推薦図書コーナー 1月

杉並図書館員推薦図書コーナーを入れ替えました。
展示されている本は貸出可能です。
詳細は、DVD架横の杉並図書館員推薦図書コーナーをご覧ください。

全6冊です。

 

 

書評大全

 

「私」と日記 : 生の記録を読む : 特集

 

楽しい雪の結晶観察図鑑

 

いかさまお菓子の本 : 淑女の悪趣味スイーツレシピ

 

ランベルマイユコーヒー店

 

レトロ印刷コレクション

 

 

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2026年1月6日

NEWS 図書館からのお知らせ杉 並


学生展示「受け継がれる美 魅惑の歌舞伎」

展示期間:2026年1月6日(火)~2026年3月14日(土)
展示場所:杉並キャンパス2号館地下1階 図書館内 自動貸出機横

 

 

 

現在、杉並図書館内では学生展示「受け継がれる美 魅惑の歌舞伎」を開催中です。

昨年「怖くて怪しくてどこか愛おしい妖怪たち」展を担当してくださった図書館サポーターさんが、今回も企画発案から、選書、ポスターまで作成してくださいました!

 


「受け継がれる美 魅惑の歌舞伎」展示ご挨拶

 

今回の展示は、映画『国宝』をきっかけに企画しました。映画を観て“歌舞伎ってちょっと気になるかも?”と思った人もいるのではないでしょうか。歌舞伎は、華やかな衣装や迫力ある演技はもちろん、女形の美しさをはじめ、見どころがたくさんあります。そんな小さな興味が、歌舞伎の世界をぐっと身近にしてくれるかもしれません。

 


 

 

 

すべて貸出可能ですので、ご来館の際は是非「受け継がれる美 魅惑の歌舞伎」展示をご覧ください。

2026年1月6日

NEWS 図書館からのお知らせ杉 並


特集「エンデがおしえてくれたこと」

展示期間:2026年1月6日(火) ~ 3月14日(土)
展示場所:杉並キャンパス2号館地下1階 図書館内 カウンター横


ミヒャエル・エンデ(1929-95/ドイツ)の作品が日本語で初めて刊行されたのは、不朽の名作『モモ』でした。

1976年の刊行以来、『モモ』『はてしない物語』『鏡のなかの鏡』をはじめとするエンデの物語は世代を越えて多くの読者に読み継がれ、時間や生き方、想像力の大切さを問いかけ続けています。

そして2026年、日本におけるエンデ文学との出会いから50年という節目を迎えます。

ミヒャエル・エンデが遺してくれた物語と核心となる言葉、エンデが読んでいた書物、そしてエンデの精神や世界観を感じられる作品に加え、エンデ読者の皆さんにぜひ手に取ってほしいおすすめの本をご紹介します。




『ものがたりの余白』 ミヒャエル・エンデ

エンデが亡くなる直前まで、友人であり翻訳者である田村都志夫氏に語った談話集。物語は完成された答えを与えるものではなく、読者の想像力によって初めて意味をもち、新しい世界を生み出す力をもっています。ファンタジーは虚言ではなく、人間を回復し、創造する力を育みながら、現実をより豊かにする大切なものなのです。


 


『ドン・キホーテ』 ミゲル・デ・セルバンテス

騎士道物語に憧れた一人の男が、理想を胸に冒険へ出る姿を描いた物語。主人公ドン・キホーテは、現実を誤解しながらも正義と名誉を信じ、相棒サンチョ・パンサと旅を続けます。風車を巨人と思い込んで突撃したり、羊の群れを敵と見なしたり、滑稽な出来事の裏には、夢を追う人間の純粋さや、理想と現実が描かれています。単なる喜劇ではなく、深い人間理解に満ちた、時代を超えて読み継がれる世界文学史上の傑作です。




『安房直子コレクション』

エンデ読者に読んでほしい日本の児童文学。
動物や自然、静かな町を舞台にし、さびしさや喜び、誰かを思う気持ちが丁寧な言葉で描かれています。忘れていた感情をそっと思い出させてくれる小さな奇跡、そんな瞬間を言葉で紡ぎだした美しい物語集です。

 


続きは、図書館カウンター横つみき箱で展開中です。

星の数ほど新刊本が出版される中で、生涯をかけて考え、書き綴り、私たちに遺してくれた書物が数多くあります。

要約を知るだけの表面的な理解ではなく、著者の描写と考え抜かれた語感から生まれる言葉を通してこそ、その豊かさや奥深さを感じ取ることができるのです。

効率や成功だけを追い求める現代社会に対して、ミヒャエル・エンデの物語は、今もなお大切な問いを投げかけています。

物語に触れるひととき。人とは交わさない本当の約束が増えていくような、本の中のもうひとつの現実をともに生きる豊かな時間へ、ご案内できれば大変うれしく思います。




※ すべて貸出可能です。ご来館お待ちしております。

2026年1月6日
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