展示期間:2026年5月18日(月) ~ 2026年6月30日(火)
展示場所:杉並キャンパス2号館地下1階 図書館内つみき箱

夏本番を前にして、すでに暑さを感じる天気が増えてきました。
みなさん、くれぐれもご体調に気をつけてくださいね。
さて、今回の杉並図書館・特集コーナーのテーマは、「漢字-東アジア地域に広がる言語文化-」です。
普段何気なく使っている漢字について、改めて考える機会は少ないかもしれません。
漢字は中国・殷の時代に甲骨文字として誕生し、やがて日本へも伝播・定着し、以来現在も生活するうえで欠かすことのできない言語となりました。
古来より続く文字である漢字を、書道という芸術作品として昇華する東アジア地域限定の言語文化の奥深さに驚かされます。
今回の展示を通じて、普段使っている漢字のもつ悠久の歴史に思いを馳せる、そんな機会としていただければ幸いです。
みなさまの興味の入り口として手に取っていただきたい、おすすめの本をご紹介します。

『特別展 顔真卿(がんしんけい) -王羲之(おうぎし)を超えた名筆』東京国立博物館, 毎日新聞社編集
二千十九年、東京国立博物館開催『特別展・顔真卿』の展示図録です。なかでも、故宮博物館で三年に一度しか展示されない秘宝「祭姪文稿(さいてつぶんこう)」は必見の書で、歴史上の劇跡と称えられています。
祭姪文稿は甥を悼んだ祭文の草稿にあたります。安史の乱により、従兄とその末息子が処刑されます。戦乱により幼子が処刑という凄惨な最期を遂げたことに、顔真卿はどれほどの悲憤にかられたことでしょう。
冒頭は平静に書かれた文字も進むにつれ、自身の激情とともに変容していく筆跡の様には、千二百六十一年という時を経た今もなお、その文字に宿る悲痛の情に、心うたれる傑作です。
顔真卿の人物像や書の本質に迫った圧巻の本展、展示図録を通して、是非体験していただきたいです。

『漢字の社会史 東洋文明を支えた文字の三千年』阿辻哲次著
誕生から現代に至るまで、人との関わりを軸とした漢字の歴史について、述べられています。
漢字文化圏についての展望及び課題やキーボード入力時代の漢字の在り方など多角的視点から漢字について、非常にわかりやすく学ぶことが出来る名著です。

『阿Q正伝・狂人日記 他十二篇』魯迅作/竹内好訳
【漢字不滅、中国必亡】漢字廃止論者だった魯迅が残した言葉です。
複雑な漢字を簡便な文字体系へ改革することで、識字率向上と近代社会への改革の必要性を訴えました。
魯迅は文学を通し、社会矛盾や封建的慣習に対し、鋭い批判をなげかけ、社会変革の重要性を示しています。
露悪的ではないけれども、生々しいまでの心理描写は、現代日本にも通ずるものがあるように思え、はっとさせられます。一度読んだことがある方も、ぜひご再読ください。
他 全三十九冊、すべて貸出可能です。
自動貸出機横のつみき箱展示をぜひご覧ください。
2026年5月18日























