9月に入ると、夏の陽気も少しずつ落ち着きを見せ、日も短くなりつつありますね。夜の時間がだんだんと長くなり、29日が十五夜(お月見の日)なこともあって、月を眺めることが増えてくるのではないでしょうか?
そこで、9月の杉並図書館では「月」を特集し、月にまつわる本や、月をさまざまに表現した作品の掲載資料を展示します。
※8月から引き続き「太陽」も同時特集・展示しています。
展示場所:杉並キャンパス2号館 地下1階
杉並図書館 カウンター前 特集コーナー
展示期間:2023年9月1日(金)-9月29日(金)
月は、太陽とは昼と夜を分かつ対照的な存在とされてきました。例外はありますが、太陽は #男性的 なものとして、月は #女性的 なものとしてイメージされやすく、月を女神とする神話や伝承も多く残っています。月の女神であるセレネやルナ、ルナと同一視されるアルテミスは、凱旋門や石棺、彫像にその姿が三日月とともに刻まれました。
文化・風俗においては、月の満ち欠けが重要視されました。満月は #祝い事 や #出産 に相応しいめでたいものとされ、欠けた月や新月(見えなくなった月)は不幸を招く不吉なものとされます。常に燦然とかがやく太陽とは違い、日々表情を変える月は、人々の生活を大きく左右する存在でした。
月の光は、じっと見つめていられるほど穏やかなため、クレーターなどの模様は動物や人に見立てられ、文学や歌、伝統的な図案などにさまざまな姿で登場しました。それほどまでに人々のまなざしは月の姿かたちをしっかりと捉えていました。
さらには、見つめるだけにとどまらず、人類は月へ飛び立ちその地に足を踏み入れました。月に触れようとする試みは、絵本の『パパ、お月さまとって!』が有名ですが、実際に成し遂げたのです。インドの無人月探査機の月面着陸のニュースが記憶に新しいですが、月という存在の認識は、眺めるだけのものから手に入れられるものへと変わりつつあるのかもしれません。『かぐや姫』では決して手の届かない場所とされた天上の世界にも、いずれ旅行できるようになる日が来るのかもしれませんね。
アートの中では、夜に現れるという神秘的な印象や女性的なイメージを持たされることが多く、どこか #ミステリアス な雰囲気を纏っています。また、夜という時間は暗い不安を煽ることもあれば、ぐっすりと眠る安らぎを与えることもあります。描かれ方やシチュエーションによって意味や受け取り方が変わる月夜には、幸も不幸も呼び寄せる二面性を見出すことができるでしょう。
太陽に照らされなければ光を放つことができない、ある意味太陽に依存しているとも言えるその性質は、月をより身近に感じさせます。だからこそ、太陽ほどの圧倒的なかがやきはなくとも、その控えめな光の奥ゆかしさに包容力を感じたり親近感を覚えたりするのでしょう。
太陽に照らされながらも、暗がりにいる私たちをしっかりと照らしてくれている月を見上げてみませんか?
特集コーナーの表面は「月」を、裏面は「太陽」を特集しています。
表裏一体とも言えるそれぞれの光をぜひご覧ください。
〈表面:特集「月球 照らし、照らされ」〉
〈裏面:特集「太陽 見つめ、見つめられ」〉
月に関するページにはグレーの栞を、
太陽に関するページには朱色の栞を、それぞれ挟んでいます。
ぜひ、本をひらいて月や太陽を描いた作品の数々をご覧ください。
全30点(月)+35点(太陽)。
図書はすべて貸出可能、DVDは館内で視聴可能です。
ぜひ、ご覧ください。