映画「メトロポリス」
No.069
  • 著 者:フリッツ・ラング監督
  • 出版社:
  • 出版年:1927年公開

近未来を舞台とするSF映画で、機械的な人型ロボットのイメージを誕生させた作品。大都市を支配する資本家と、地下街に住み24時間体制で働き続ける労働者たち社会的格差に、亡くなった理想の女性を蘇らせようとするマッドサイエンティストの欲望、労働者の娘に恋する資本家の息子の思いが絡み合い、人型ロボットがもたらす厄災と人間の愚かさが描き出された大作。1927年公開時は各3時間半の二部構成で上映されたという。その後、フィルムが分散してしまい、現在ではいくつかのヴァージョンがパッケージ化されている。

※DVDは右の「蔵書を確認する」から確認することができません。DVDコーナーからカウンターにお持ちください。館内のみ視聴可。

大学院 非常勤講師
藤原 えりみ
陰陽師シリーズ
No.068
  • 著 者:夢枕獏
  • 出版社:文藝春秋
  • 出版年:1991~

平安時代の陰陽師、安倍晴明を中心としたその時代の『ことわり』を守る人、破る人、鬼などの視点から見た物語です。
平安時代の生活感や、いろいろな風習も取り入れながら、現代的な感覚で、読める本です。番外編なども含めるとかなりな冊数が出ています。
ほとんどが短編ものですが、中身の濃い文章と、リアルな表現がこの作品の売りになっていると思います。登場人物もかなり、個性的に表現されています。おどろおどろしい文章もありますが、時の流れの優雅さや、平安時代のロマンも感じられるお話もあり、バリエーションがかなり広く飽きずに読んでしまいます。

短期大学部デザインコース 教授
小林 信恵 
芭蕉七部集評釈・続
No.067
  • 著 者:安東次男
  • 出版社:集英社
  • 出版年:1973-1978年

芭蕉の本領は連歌にある。数人が順に五七五、七七、五七五…と詠みついでいく。出来上がるのは共作の詩だが、あらかじめ主題があって、全員がそれを大きな作品にしていく、のではない。あくまでも即興である。詠み手は全体の流れを意識しながら、おもに直前の句への対応として句を詠む。前の句をどう読み、どういう方向へ伸ばすか。そこで、実は詩魂が火花を散らし合っていることを読み解いたのが本書。私自身、若い頃に本書に出会って、衝撃を受けた。拙著『オルレアン公詩歌帖の世界』は本書の影響を引きずっている。

教養研究室 教授
田桐 正彦
政治的無意識:社会的象徴行為としての物語
No.066
  • 著 者:フレドリック・ジェイムソン
  • 出版社:平凡社
  • 出版年:1989年

「社会に関わるアート」、「社会との関連で藝術を考える」とはよくいわれます。一方、そう述べる立場において、自らのその信条の理論的根拠が、実は、マルクス主義批評に多くを拠っていると自覚している人はどれだけいるでしょうか。 英米発の「歴史化」を志向する批評的潮流の淵源には、およそマルクス主義批評がありますが、本書の著者、フレドリック・ジェイムソンは、アメリカにおけるその泰斗です。脱構築批評を脱構築し、すべてを巧みな弁証法で斬っていくその思考の刃物は痛快です。「つねに歴史化せよ ! 」。院生におすすめ。

メディア表現領域 非常勤講師
石井 拓洋
まばたきとはばたき
No.065
  • 著 者:鈴木康広
  • 出版社:京都 : 青幻舎
  • 出版年:2011.10

『日々、まばたきの瞬間に見逃してしまうような日常の風景や出来事。それらをいつもとは異なった視点で捉えると“ハッ”とするような驚きと発見に満ちているのだ!』ということに気づかされる現代アーティスト鈴木康広さんの作品の数々に創造力を刺激されます。

杉並図書館スタッフ
A.N

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