都市のイメージ
No.032

私は大学で建築を学びましたが、卒制の頃に自分は建築ではなく、空間のデザインをしたいのだと気づき、大学院では空間の研究をしました。空間は実体ではなく、物と物、物と人との関係性で認識されます。私はこの本のイメージという言葉に影響されて研究を始めました。本書刊行の後にロサンジェルスで行われた調査は、同じ都市に暮らす人々も人種や社会階層の違いで都市のイメージが全く異なることが示された衝撃的な内容でした。日本建築学会編の「人間環境学 よりよい環境デザインへ」という本の中でレビューしましたので、時間があれば合わせて読んでみてください!こちらも図書館にあります。

環境デザイン専攻 教授
横山 勝樹

著者

ケヴィン・リンチ著;丹下 健三,富田 玲子訳


出版社

岩波書店


出版年

1968

中銀カプセルタワービル 銀座の白い箱舟
No.031

中銀(なかぎん)カプセルタワーというビルが銀座・新橋に存在します。
ご存知の方も多いと思われますが、設計は黒川紀章、建築されたのは今から45年前の1972年。
建物は、四角いカプセル状の部屋が不規則に積み上げられかのよう、そして丸い窓。
その狭い室内をのぞくと、一昔前の近未来的な設え..。
脳科学者から会社員、学生までここの魅力に惹かれた人々が、思い思いの形で住んでいて、この本から、いずれの人々もこの「中銀カプセルタワー」を愛しているのが伝わってきます。

相模原図書館スタッフ
M.J

著者

中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト


出版社

青月社


出版年

2015

地獄の思想 : 日本精神の一系譜
No.030

梅原の代表作ともいえる日本文化論。天台の地獄思想と浄土教の極楽思想を結びつけた源信。煩悩の鬼どもの行き交う『源氏物語』、生きること自体が地獄という阿修羅の世界『平家物語』、生を死という永遠の時間に封じ込め人間の生の変容を冷徹に見つめる世阿弥の能世界、ほか宮沢賢治、太宰治等を事例に日本の精神が語られる。

芸術学部 非常勤講師
中野 仁詞

著者

梅原猛


出版社

中央公論社


出版年

1967

目展 : たよりない現実、この世界の在りか
No.029

2014年資生堂ギャラリーで開催された現代芸術活動チーム目【め】の展覧会の図録です。通常ギャラリーとして使用している空間に本物そっくりなホテル空間が出現。観客は、真夜中のホテルの廊下に迷い込み、実際に存在しそうなホテル空間の中に潜む不可思議な世界を体験します。それは、普段自分が現実だと認識している世界は、錯覚であり不確かなものであるかもしれないという「たよりない現実」への問いかけなのかもしれません。

杉並図書館スタッフ
A.N

著者

樋口昌樹, 豊田佳子, 大竹かおり編


出版社

東京 : 資生堂


出版年

2014.12

物語ソウル
No.028

中上の小説は重くて、というひとでも楽しめる異色作。盗賊団がソウルの闇を疾走する、痛快な物語。ストーリーとは別に、荒木のソウルの写真がちりばめられている。二大巨匠のコラボという贅沢な本。PARCOの遺産でもある。冒頭、繁華街のごたごたした狭い通りの描写が、凄い。ふだん長い描写などしない中上が、バルザックもかすむ筆力をみせつける。文章の喚起力か、レンズの描写力か。真っ向勝負を挑んでいるのだ。「コラボ」というより、「対決」かもしれない。むろん、荒木の写真もいい。が、文章の喚起するのは現実にとどまらない。

教養研究室 教授
田桐 正彦

著者

中上健次, 荒木経惟


出版社

PARCO出版局


出版年

1984

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