子ども学序説 : 変わる子ども、変わらぬ子ども
No.035
  • 著 者:浜田寿美男
  • 出版社:岩波書店
  • 出版年:2009

「子ども学」とは、聞き慣れない言葉だと思います。本書は、子どもを客観的、科学的に外から見るのではなく、一人一人の子どもの生きる条件や世界に思いを馳せ、視点を重ねることで、「子どもである」という条件を生きることの意味を考えようとする内容です。
学校という文化の中で、これまで常識、当たり前と考えられていたことに対して、「本当にそうなのだろうか」と、新たな考えや異なる視点をもたらす一冊です。

美術教育専攻 准教授
鈴木 淳子
popeye物語 : 1976~1981
No.034
  • 著 者:椎根和
  • 出版社:新潮社
  • 出版年:2008

こちらはさらに時代をさかのぼって*1976年創刊の『ポパイ』の黎明期のエピソードを満載した本。当時の若者文化が同提案され、世界がどう取材されて読者に伝えられたか、そのドタバタ悲喜劇を楽しむことができる。雑誌ポパイはその後、さまざまな内容の変化を経て、現在も発刊されている。業界的には、息を吹き返してまた元気な雑誌になっていると言われている。

*註(図書館):前回「銀座Hanako物語 : バブルを駆けた雑誌の2000日」をご紹介していただいています。

短期大学部造形学科 非常勤講師
渡辺 憲一
倒錯の偶像 : 世紀末幻想としての女性悪
No.033
  • 著 者:ブラム・ダイクストラ著 ; 富士川義之 [ほか] 共訳
  • 出版社:パピルス
  • 出版年:1994

西洋近代美術史といえばレアリスムから抽象美術へという革新運動の展開を思い浮かべるが、当時の人々に広く浸透していたのは、保守的なアカデミスムの流れを汲むサロン派の作品であり、物語性と写実性を重視する画風であった。著者は豊富な図版を駆使して、これらサロン派系の絵画が18世紀以降の西欧資本主義社会が求める女性像の形成にいかに寄与してきたのかを分析。そこには女性嫌悪と差別意識が含まれており、白人男性優位の支配概念がやがてジェノサイドを誘発するという結論に至る。近代美術史の図と地が入れ替わったような衝撃を覚える一冊。

大学院 非常勤講師
藤原 えりみ
都市のイメージ
No.032
  • 著 者:ケヴィン・リンチ著;丹下 健三,富田 玲子訳
  • 出版社:岩波書店
  • 出版年:1968

私は大学で建築を学びましたが、卒制の頃に自分は建築ではなく、空間のデザインをしたいのだと気づき、大学院では空間の研究をしました。空間は実体ではなく、物と物、物と人との関係性で認識されます。私はこの本のイメージという言葉に影響されて研究を始めました。本書刊行の後にロサンジェルスで行われた調査は、同じ都市に暮らす人々も人種や社会階層の違いで都市のイメージが全く異なることが示された衝撃的な内容でした。日本建築学会編の「人間環境学 よりよい環境デザインへ」という本の中でレビューしましたので、時間があれば合わせて読んでみてください!こちらも図書館にあります。

環境デザイン専攻 教授
横山 勝樹
中銀カプセルタワービル 銀座の白い箱舟
No.031
  • 著 者:中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト
  • 出版社:青月社
  • 出版年:2015

中銀(なかぎん)カプセルタワーというビルが銀座・新橋に存在します。
ご存知の方も多いと思われますが、設計は黒川紀章、建築されたのは今から45年前の1972年。
建物は、四角いカプセル状の部屋が不規則に積み上げられかのよう、そして丸い窓。
その狭い室内をのぞくと、一昔前の近未来的な設え..。
脳科学者から会社員、学生までここの魅力に惹かれた人々が、思い思いの形で住んでいて、この本から、いずれの人々もこの「中銀カプセルタワー」を愛しているのが伝わってきます。

相模原図書館スタッフ
M.J

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