政治的無意識:社会的象徴行為としての物語
No.066
  • 著 者:フレドリック・ジェイムソン
  • 出版社:平凡社
  • 出版年:1989年

「社会に関わるアート」、「社会との関連で藝術を考える」とはよくいわれます。一方、そう述べる立場において、自らのその信条の理論的根拠が、実は、マルクス主義批評に多くを拠っていると自覚している人はどれだけいるでしょうか。 英米発の「歴史化」を志向する批評的潮流の淵源には、およそマルクス主義批評がありますが、本書の著者、フレドリック・ジェイムソンは、アメリカにおけるその泰斗です。脱構築批評を脱構築し、すべてを巧みな弁証法で斬っていくその思考の刃物は痛快です。「つねに歴史化せよ ! 」。院生におすすめ。

メディア表現領域 非常勤講師
石井 拓洋
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