「色彩の同時対比」に関するシュブルールの研究成果をまとめたもので、仮説ではなく実験を通して証明された事実のみに基づいて書かれている。配色の基礎から応用までを体系化した万人のための色彩学の書で、ここから近代色彩学がはじまったといえ、印象派絵画にも影響をあたえた名著である。色彩の同時対比の法則について、色彩の同時対比を応用した実践的研究、絵画の色彩について、空間的に限定された人工的対象の配色方法、配色物に関する経験的美学、さまざまな発色素材や無色の素材によって視覚に訴える多様な美術分野に共通する造形原理について、対比現象に関する結論的な考察などの章で構成されている。