マイルス・デイヴィス自伝
No.019
巨匠の自伝はたいていおもしろい。マイルスのこれも例外ではない。飾らない言葉で、まったくもったいぶらずに、あのもの凄い音楽の生み出される舞台裏をあっさり語ってくれる。真実の重み、とはよく耳にする言葉だが、この本くらい、この言葉が当てはまるケースはないんじゃないか。そんな風に感じる。マイルス? 誰、それ。そういうひとのためにアルバムを3点あげておこう。『カインド・オブ・ブルー』、『ビッチェズ・ブリュー』、『TUTU』。まったく作風が違う。まるで別人だ。そしてどれも最高。こんなひとはほかにピカソしかいない。
教養研究室 教授 | |
田桐 正彦 |