1945年8月6日、太平洋戦争の末期、広島に原爆が投下されました。
人類史上初めて戦争に使用された原子爆弾の威力はすさまじく、熱と爆発の衝撃で人も含むすべてのものが破壊され焼き尽くされました。
そのわずか3日後の焼け野原と化した広島の光景を描いた画家がいます。水墨画家の丸木位里(まるき いり)とその妻であり油彩画家の俊(とし)です。
2人は5年後の1950年に広島で見た惨劇を描いた作品『原爆の図 第1部 幽霊』発表します。屏風四曲一双という形で制作されたこの作品は2人の共同制作であり、はじめは1作品だけの予定でしたが、その後も描かれ続け、最終的には15部の『原爆の図』が世に出ることになりました。
32年という長い月日をかけて描かれた「原爆の図」の増補保存版を、現在相模原図書館で展示しています。
また、丸木俊は女子美術大学の卒業生です。女子美の先輩が描いた作品を通して、平和について考えるきっかけになれば幸いです。
【関連情報】
8/3(土)に映画『この世界の片隅に』がNHKで午後9:00から放送されます。
戦時中の広島を舞台に生きる人々を描いたアニメーション作品は、今も国内外から高い評価を受けています。2019年の12月にはこの作品の新バージョンである『この世界のさらにいくつもの片隅に』も公開されるので、まだ見ていない方は予習もかねてぜひご覧ください。
2019年8月1日