9月の杉並図書館・特集コーナーのテーマは「折形 ―折る、包む、贈る」です。
室町時代に武家の礼法の一つとして確立された、清らかな和紙でものを包む作法「折形(おりがた)」
紙を折ることで生まれる構造、幾何学から成る形。
贈る相手を思い、手ずから一枚の紙を折り上げる。
そこには、ものを贈るこころをかたちにした、日本古来の美しさを感じます。
今回集めた本のなかには、基礎から応用まで、折り方を解説しているものが多くあります。
興味を持たれた方は、ぜひ和紙を用意して折ってみてはいかがでしょうか。
いくつかご紹介します。
1.『翻刻・現代語訳集 (復刻伊勢貞丈「包結記」:1)』
2.『再現用図集 (復刻伊勢貞丈「包結記」:2)』
『包結記』は江戸時代中期に幕府の礼法指南役を務めた、伊勢貞丈(1717-84)によってまとめられた、折形のひな形を掲載した江戸時代の書物。
本書は、版本『包結図説』を底本とし、1巻に翻刻・現代語訳、2巻に包み・結びの詳しい手引きの図と解説を収録。
江戸時代に線で描かれた端的な図が美しい。
3. 『折る、贈る。』
伝統的な「折形」をモダンデザインの観点から捉え直し活動する、折形デザイン研究所の一冊。
贈るものによって、贈る人によって変わるかたち。折形のマナーは守りつつ、現代の暮らしにあった折形が提案されています。
4. 『江戸・ザ・マニア』
江戸文化を楽しむ、極める達人をイラストレーターの浅生ハルミンさんが取材。
親しみやすいイラストと文章で、趣味の世界を掘り下げます。
他 全21冊、貸出可能です。
受付カウンター脇の特集コーナーをご覧ください。