夏休みも始まり、厳しい暑さがつづく今日この頃、いかがお過ごしでしょうか?焼けつくような夏の力強い日照りは、太陽の存在を否応なく感じさせますね。
そこで、8月・9月*の杉並図書館では「太陽」を特集し、太陽をさまざまに表現した作品の掲載資料を展示します。
(*9月は「月」も追加で特集・展示しています。)
展示場所:杉並キャンパス 2号館 地下1階
図書館館内 カウンター前 特集コーナー
展示期間:〈前期展示〉2023年8月1日(火)-8月30日(水)
〈後期展示〉2023年9月1日(金)-9月29日(金)
太陽は、古くからヘリオスやラーなどのように神として崇められていますが、地動説が唱えられ、発展した #科学技術 によってそれがひとつの星であると広く知らしめられた現代においても、さまざまな姿で描かれ続けています。
#ギリシア神話 において、ヘリオスやソル、アポロンたちは太陽神として同一視され、 #パルテノン神殿 をはじめとする建造物や石棺などにその姿を刻まれました。あまりにも眩いその光は、神格化されるのも当然と言えるでしょう。
太陽神の後頭部から放射状に伸びるように描かれるものはニンブス(nimbus)と呼ばれ、陽光を表すような造形となっています。光を象ったニンブスは、次第に頭に被る #王冠 へと変化していきました。それは #ローマ皇帝 であるネロが、太陽神を自身に重ね合わせようとする試みから生まれ、受け継がれたものです。こうした動きは太陽の #記号化 とも捉えることができ、天気予報で示されるマークや #絵文字 (emoji) にも通じるものがあります。
#宇宙 への理解が深まり、太陽が星のひとつであると解ってもなお、夜明けや晴れ晴れとした天気には救いや恵みを感じられます。日の光が自然や生命の維持に不可欠であるのはもちろんですが、その光は精神的な支えや #救済 ともなっているのでしょう。科学が進歩した現代においても太陽は単なる火の球ではなく、その存り方や影響は拡がりを見せています。
#現代アート においては、太陽はしばしば #抽象化 された姿を見せています。それは、太陽の持つ膨大なエネルギーや、地球や人類にもたらす影響といった、計り知れないその圧倒的な存在感の表れとも受け取れます。やはり人間の手には収めきれない存在なのでしょう。
円や球という、ごく自然で普遍的なかたちを持つためか、人々の手によってさまざまな姿に変えられてきた太陽。しかしながら、どのようなものも「太陽」として示されれば、ふしぎと納得できる説得力を持ち合わせています。それは、私たちが日頃から太陽をさまざまな姿で捉えてきたからではないでしょうか。
「お天道様が見ている」という言葉があるように、私たちには太陽にいつも見つめられているという感覚がありますが、案外、太陽もまた、私たちにずっと見つめられてきたのかもしれません。
太陽にいちばん近づくこの季節。いつも私たちを見つめるその光や熱、かがやきのかたちを見つめ返してみませんか?
太陽に関するページには、朱い栞を挟んでいます。
ぜひ、本をひらいて太陽を描いた作品の数々をご覧ください。
全35冊、すべて貸出可能です。
ぜひご覧ください。