2014年資生堂ギャラリーで開催された現代芸術活動チーム目【め】の展覧会の図録です。通常ギャラリーとして使用している空間に本物そっくりなホテル空間が出現。観客は、真夜中のホテルの廊下に迷い込み、実際に存在しそうなホテル空間の中に潜む不可思議な世界を体験します。それは、普段自分が現実だと認識している世界は、錯覚であり不確かなものであるかもしれないという「たよりない現実」への問いかけなのかもしれません。
杉並図書館スタッフ
A.N
2014年資生堂ギャラリーで開催された現代芸術活動チーム目【め】の展覧会の図録です。通常ギャラリーとして使用している空間に本物そっくりなホテル空間が出現。観客は、真夜中のホテルの廊下に迷い込み、実際に存在しそうなホテル空間の中に潜む不可思議な世界を体験します。それは、普段自分が現実だと認識している世界は、錯覚であり不確かなものであるかもしれないという「たよりない現実」への問いかけなのかもしれません。
杉並図書館スタッフ
A.N
中上の小説は重くて、というひとでも楽しめる異色作。盗賊団がソウルの闇を疾走する、痛快な物語。ストーリーとは別に、荒木のソウルの写真がちりばめられている。二大巨匠のコラボという贅沢な本。PARCOの遺産でもある。冒頭、繁華街のごたごたした狭い通りの描写が、凄い。ふだん長い描写などしない中上が、バルザックもかすむ筆力をみせつける。文章の喚起力か、レンズの描写力か。真っ向勝負を挑んでいるのだ。「コラボ」というより、「対決」かもしれない。むろん、荒木の写真もいい。が、文章の喚起するのは現実にとどまらない。
教養研究室 教授 | |
田桐 正彦 |
チェコを経由せず独自の発展を成し遂げた、知られざる日本の人形アニメーションの父、持永只仁。今日も一般的に使われている人形アニメーションの技法、虫ピンで人形を固定する方法を編み出したのも持永さんです。
戦中戦後、絵を描く道具も入手困難な時代に、絵の具の調合・素材研究・撮影など、努力と工夫の積み重ねで0から築き上げたアニメーションのこと、そしてその技術を広めようと中国にて尽力したことをまとめた情熱と愛情に溢れた一冊です。アニメーションの資料としてはもちろん、読み物としても楽しめます。
杉並図書館スタッフ
Y.N
エラそうな権力に取り込まれるなんてイヤですよね。徹底的に叩き潰してやりたくなりますよね。でも、グラムシという人によれば、人は、むしろ、そんな力に好んで取り込まれていくのだそうです。さらに、本書の著者、ルイ・アルチュセールによれば、権力で問題なのは、軍隊とか独裁者とかのような解りやす過ぎるものというよりも、むしろ、学校、家族、メディア、美術、音楽、スポーツなど、身近にあって権力らしくないものだそうです。これら「国家のイデオロギー装置」( AIE ) によって、実はずっと前からすでに取り込まれているのが、私たちだというのです。
大学院美術研究科デザイン専攻 非常勤講師 (音楽文化学) | |
石井 拓洋 |
1988年6月に創刊された働く女性向けの首都圏だけのリージョナルマガジン『Hanako』、その創刊編集長が書く編集現場のリアルなエピソードの数々。たくさんのブームを巻き起こした雑誌メディアが力を発揮していた時代のストーリーにはワクワクします。近くで生きていた自分のすぐ横で起きていたドラマの裏側を知ることができて認識を新たにしました。若い人たちには自分たちが知らない過去のバブル時代の風景がわかればとおすすめしたい。
短期大学部造形学科 非常勤講師 | |
渡辺 憲一 |