悲しき熱帯
No.001
  • 著 者:レヴィ=ストロース著 ; 川田順造訳
  • 出版社:中央公論新社
  • 出版年:2001

私は物事をシンプルに理解しようとする性向があります。モダンデザインの影響でしょう。割算で言えば、商が大事で余りはその次です。でも世の中は割り切れないことばかりです。レヴィ=ストロースの主要研究は、時に強引な記号化が批判されますが、この本は「余り」を大事にしています。私にとっては、現代人の思う「自然の風景」は「本当の自然」なのか、という気づきがあったことが今でも大事な財産です。割り切れていない分、人によってさまざまな気づきが得られると思います。彼の芸術観も語られていて興味深い本でもあります。私が読んだのは別の訳書ですが、こちらの方が読みやすい気がしました。

環境デザイン専攻 教授
横山 勝樹
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